公開セミナー「iPS細胞研究への尊い寄附に応えるために:寄付の募集・活用に制約理論を使おう」


 ソーシャル・ファイナンスにおける寄付の重要性は無視できません。社会的インパクト投資市場が発展し、ソーシャル・ベンチャーがエクイティ資金を活用してスケールアップすることが可能になった今日でも、寄付は重要な役割を果たしています。寄付は、研究・開発分野では不可欠な資金源ですし、また寄付を通じてソーシャル・キャピタルを充実・発展させていくことは、活動の社会的インパクト拡大につながります。

 第11回のインパクト・サロンでは、京都大学iPS細胞研究所基金室長の渡邉文隆さんをお招きし寄付の募集・活用についてお話しいただきます。iPS細胞研究基金は、iPS細胞研究の成果を一日も早く社会に還元するため研究環境の整備及び研究の加速化を図ることを目的に2009年に設立されました。寄付の目標額は毎年10億円です。このような野心的な資金調達プロジェクトに、渡邉さんは2013年から関わり、寄付募集チームのマネジメント、周知広報のための企画、寄付者対応などを担当してこられました。2019年からは、基金室長として寄付募集活動を統括しておられます。

このような大規模な寄付募集活動を進めるには、様々な課題を解決する必要があります。スムーズな基金事務局運営を実現し、寄付者により深く満足していただくにはどうすればよいのか?寄付者(や助成財団)は、どんな活動を応援したら社会により大きなインパクトを与えられるのか?今回のセミナーでは、こうした課題について、製造業の生産性向上手法として知られる制約理論 (TOC)を活用してファンドレイジングを改善してきたプロセスをたどりながら、寄付者やファンドレイザーがより大きく社会に貢献するための方法を考えます。

単なるファンドレイジング手法だけでなく、チーム運営や寄付者対応、さらに助成財団の支援の在り方まで含めて、大規模プロジェクトに対する寄付募集のあり方を知る貴重な機会です。ぜひ皆さんのご参加をお待ちしています。

多摩大学社会的投資研究所

■プログラム概要■

【日  時】    2019年11月5日(火) 午後7時より8時半(開場:午後6時半)
【会  場】    日本財団2階会議場
【講  師】  渡邉文隆(京都大学iPS細胞研究所 基金室長)
【参加費】   2000円(研究所の個人・法人サポーターは無料)
【申込方法】 事前にPeatixにてお申込み下さい。 https://tama-csi12.peatix.com/
【主  催】  多摩大学社会的投資研究所
【助  成】  サントリー文化財団
【特別協力】  社会的投資推進財団
【問合せ】   多摩大学社会的投資研究所 info@tama-csm.org 

■講師略歴■

渡邉文隆
(京都大学iPS細胞研究所 基金室長)

青森県出身。中学3年で父親を食道ガンで亡くし、「あしなが育英会」の奨学金で大学へ進学。遺児のための寄付募集やサマーキャンプ運営にボランティアとして携わる。学生時代に2年間休学し、ブラジルとウガンダでHIV感染者やエイズ遺児を支援する活動に参加。

卒業後、企業の環境・CSR業務を支援するアミタ株式会社に就職。自社のマーケティング・広報を担当するほか、複数のNPO、財団法人、省庁などのマーケティング支援にも携わる。長男の先天的な病気をきっかけに、2013年6月から、京都大学iPS細胞研究所に勤務。ファンドレイザー(寄附募集担当者)として、年間10億円を目標に寄付募集に取り組む。

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