公開セミナー「社会的インパクト投資を民主化する:リテール型インパクト投資の可能性」

社会的インパクト投資を担うのは、富裕層、財団、投資ファンド、金融機関だけではありません。社会的インパクト投資に対する関心の高まりに伴い、近年は、個人が気軽に社会的インパクト投資を行うことができるようになりつつあります。これは、社会的インパクト投資市場の大幅な拡大につながるだけでなく、多様な個人が社会的インパクト投資に参加し、関心のある社会・環境分野やSDGs目標に取り組む社会的企業やソーシャル・ベンチャーに投資することで、社会的インパクト市場の民主化も期待できます。

こうした問題関心から、今回のサロンでは、現在、内外で発展しつつある個人向けのリテール型インパクト投資を取り上げます。

サロンでは、まず、リテール型インパクト投資をめぐる議論を整理します。リテール型インパクト投資は、社会的インパクト投資の初期からその重要性が認識され、様々な提言がなされてきました。個人投資家の裾野を拡大するための基盤整備の方法として、少額で投資可能なインパクト投資商品の開発、適切な投資先を見つけるための情報プラットフォームの整備、職場積立金の活用、ドナー・アドバイズド・ファンドとの連携、個人投資家向けの投資税控除など、様々な施策が提案され、現実化しています。

また、近年は、コミュニティ・ビジネス専門の投資プラットフォームや、ソーシャル・ベンチャー専門の株式投資型クラウドファンディングが発展してきました。さらに、個人が購入可能なソーシャル・インパクト・ボンドやチャリティ債も登場しています。サロンでは、こうした個人向けのリテール型インパクト投資の多様な発展を概観します。

その上で、社会変革推進財団ナレッジ・デェベロップメント・オフィサーの織田聡氏より、日本初のインパクト投資に関わる一般消費者調査の結果をご紹介いただきます。調査では、インパクト投資の認知度約7%、インパクト投資商品の購入関心度約21%で、ミレニアル世代、投資経験者、高所得者ほど高くなっているとの結果が出ています。日本においても、インパクト投資が成長していくためには、金融機関や機関投資家だけでなく、リテール側の認知度、関心度が高まることが重要です。調査結果を踏まえ、日本において、今後、インパクト投資拡大に向けて解決すべき課題は何かを織田氏に分析・展望いただく予定です。

できるだけ多くの皆様にご参加いただきますようお願い申し上げます。

多摩大学社会的投資研究所

■プログラム概要■

【日  時】    2020年1月23日(木) 午後7時より8時半(開場:午後6時45分)
【会  場】    日本財団2階会議場
【講  師】 織田聡(社会変革推進財団 ナレッジ・ディベロップメント・オフィサー)
【参加費】  2000円(研究所の個人・法人サポーターは無料)
【申込方法】 事前にPeatixにてお申込み下さい。 https://tama-csi14.peatix.com/
【主  催】  多摩大学社会的投資研究所
【共  催】  社会変革推進財団
【助  成】    サントリー文化財団
【問合せ】    多摩大学社会的投資研究所 info@tama-csm.org 

■講師略歴■

織田聡
(社会変革推進財団 ナレッジ・ディベロップメント・オフィサー)

日本鋼管(現JFE)、三菱総合研究所、A.T.カーニー、日本ユニシスを経て2019年2月社会変革推進機構(現・社会変革推進財団)に参画、現在に至る。一橋大学経済学部卒、コーネル大学経営大学院修了(MBA)。

小林立明(モデレーター)
(学習院大学国際センター准教授)

国際交流基金、日本財団勤務等を経て、2017 年4 月より現職。ペンシルバニア大学NPO指導者育成修士課程修了。2012 年から2013 年にジョンズ・ホプキンス大学市民社会研究所国際フィランソロピー・フェローとして「フィランソロピーの新たなフロンティア領域における助成財団の役割」について研究。専門は、非営利組織経営、グローバル・フィランソロピー、ソーシャル・ファイナンス、ソーシャル・イノベーション、社会的インパクト評価等。

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