公開セミナー「米国で進展する?ステークホルダー資本主義」

近年、ステークホルダー(利害関係者)資本主義が内外で注目を集めています。これまでの行き過ぎた株主(シェアホルダー)資本主義を改め、株主だけでなく、顧客、従業員、取引先企業、地球環境、地域社会などの多様な利害関係者に配慮することを目指すのがステークホルダー資本主義です。2019年に米国の主要企業経営者で構成されるビジネス・ラウンド・テーブルがステークホルダー資本主義への転換を宣言したことで転換への動きが加速しました。さらに、世界経済フォーラム代表理事のクラウス・シュワッブが今年1月、「ステークホルダー資本主義」を出版し、今年度のダボス・アジェンダのテーマの一つとすることで、国際的な議論が高まっています。

今回のインパクト・サロンでは、まさにステークホルダー資本主義の議論が高まりを見せたこの2年間、客員研究員として米国スタンフォード大学に滞在された保田隆明神戸大学教授をお招きし、ステークホルダー資本主義の現状をご紹介頂きます。主な論点は以下の通りです。

  • ステークホルダー資本主義への転換に向けた米国企業の本気度
  • ビジネス・ラウンド・テーブル宣言の意義
  • B Corpの反応
  • ESGとSDGが突き動かす企業の経営戦略&財務戦略
  • ESG投資に耐える情報開示の姿とは?

さらに、パネル討論を通じて、ステークホルダー資本主義が日本の金融・企業にもつ意義と今後の課題を検討していきます。資本主義が大きな転換を迎えようとしている現在、日本の金融・企業はどのように対応していくべきなのかを考える貴重な機会です。できるだけ多くの方々の参加をお待ちしています。

■セミナー概要■

【日 時】 2021年6月25日(金) 午後7時から8時半
【会 場】 ZOOM 会合
【基調講演】保田 隆明(神戸大学大学院経営学研究科教授)
【討論者】 占部 まり(宇沢国際学館代表取締役)
      河口 真理子(立教大学特任教授、不二製油グループ本社CEO補佐)
      堀内 勉(多摩大学社会的投資研究所教授・副所長)
【モデレーター】小林 立明(多摩大学社会的投資研究所 主任研究員)
【参加費】 1000円(研究所の個人・法人サポーターは無料)
【申込み】 事前にPeatixにてお申込み下さい。 https://tama-csi20210625.peatix.com/
【定 員】    80名
【主 催】 多摩大学社会的投資研究所
【その他】 キャンセルは48時間前までにお願いします。これ以降は受け付けません。
【問合せ】 多摩大学社会的投資研究所 info@tama-csm.org

■基調講演■

保田隆明
(神戸大学大学院経営学研究科教授)

リーマンブラザーズ、UBSにて投資銀行業務に従事後、2004 年にSNS運営会社を起業。同社売却後、ベンチャーキャピタル、金融庁金融研究センター専門研究員、小樽商科大学准教授などを経て現職。主な研究領域はコーポレートファイナンスとソーシャルファイナンス。2019 年夏よりスタンフォード大学客員研究員として、ステークホルダー資本主義などを研究。著書『地域経営のための「新」ファイナンス』『コーポレートファイナンス 戦略と実践』等。早稲田大学商学博士。

■討論者■

占部まり
(宇沢国際学館代表取締役)

東京慈恵会医科大学卒業。人間の心のありようを大事にした経済学者・宇沢弘文の長女。宇沢の死去に伴い、宇沢国際学館の代表取締役に就任。かかりつけ医として地域医療に従事する傍ら、宇沢弘文の社会的共通資本や比例型炭素税といった理論をより多くの人に伝えようと活動している。宇沢の考えた真の意味で“豊かな社会”をどうのように構築していくか、医療や地方創生の現場から様々な形で発信している。日本メメント・モリ協会代表理事。

河口真理子
(立教大学特任教授、不二製油グループ本社CEO補佐)

大和証券グループ本社CSR室長、大和総研研究主幹などを経て、2020年4月より現職。企業の立場(CSR)、投資家の立場(ESG投資)、生活者の立場(エシカル消費)のサステナビリティ分野全般に関し20年以上調査研究に従事。 日本サステナブル投資フォーラム代表理事、WWFジャパン理事、環境省中央環境審議会臨時委員などを務める。

堀内勉
(多摩大学社会的投資研究所教授・副所長)

東京大学法学部卒業。ハーバード大学法律大学院修士課程修了(LLM)。日本興業銀行、ゴールドマンサックス証券を経て、2015年まで森ビル取締役専務執行役員CFO。現在は、社会変革推進財団評議員、川村文化芸術振興財団理事など、多くの企業・NPO・財団の理事やアドバイザーを務める。著書に『ファイナンスの哲学』、『資本主義はどこに向かうのか』(編著)など。

■モデレーター■

小林立明
(多摩大学社会的投資研究所主任研究員)

国際交流基金、日本財団勤務、学習院大学准教授等を経て、2020 年4 月より現職。ペンシルバニア大学NPO指導者育成修士課程修了。2012 年から1年半ジョンズ・ホプキンス大学市民社会研究所国際フィランソロピー・フェロー。専門は、非営利組織経営、グローバル・フィランソロピー、ソーシャル・ファイナンス、ソーシャル・イノベーション、社会的インパクト評価等。主要著書に「フィランソロピーのニューフロンティア」(翻訳)、「入門ソーシャルセクター」(共著)、「英国チャリティの変容」(共著)等。

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