公開セミナー「日本におけるSIB発展の可能性:日本政策投資銀行(DBJ)の取り組みを中心に」

2010年に英国で開始されたソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)は、その後、拡大・多様化してきました。現在、全世界で214のSIBが組成され総額4億9600万ドルの資金が調達されています。その対象範囲も、当初の再犯・薬物中毒などの予防的介入分野から、教育、就労・職業訓練、ホームレス支援、保健・医療、福祉などの多様な分野に拡大してきました。さらに近年は、環境インパクト・ボンド(EIB)、開発インパクト・ボンド、人道支援インパクト・ボンド、キャリア・インパクト・ボンドなど新たな手法も登場しています。SIBは、インパクト投資に比べるとまだ規模は小さいですが、成果連動型の官民パートナーシップにおける民間資金活用手法として重要な役割を果たしています。

今回のセミナーでは、SIBを内外で積極的に推進している日本政策投資銀行(DBJ)の方をお招きし、日本を含めたグローバルなSIB市場の現状と金融機関の役割、及びDBJのSIBやEIBへの取り組みについて検討します。DBJは、2019年に英国のBridges Fund Managementとアライアンス契約を締結してSIBファンドに出資し、さらに2020年には日本のドリームインキュベーターとSIBに関する包括連携協定を締結するなど、公的金融機関としてSIBへの取り組みを進めています。また、2020年には環境インパクト・ボンド(EIB)に関する調査報告を公開しています。セミナーでは、こうしたDBJの取り組みの詳細を伺いながら、日本におけるSIB発展の可能性を議論します。

財政状況が深刻化する日本では、複雑・多様化する社会的課題の解決に民間資金を活用することは急務の課題です。SIBは、成果連動型の投資手法として、この分野で重要な役割を果たすことが期待されます。ぜひ多くの方々のご参加をお願いします。

■セミナー概要■

【日 時】 2021年9月29日(水) 午後6時半から8時
【会 場】 ZOOM 会合
【登壇者】 北栄 階一(日本政策投資銀行ストラクチャードファインナンス部 課長)
      東條 恭章(日本政策投資銀行ストラクチャードファイナンス部 調査役)
      小林 立明 (多摩大学社会的投資研究所 主任研究員)
【参加費】 1000円(研究所の個人・法人サポーターは無料)
【申込み】 事前にPeatixにてお申込み下さい。 https://tama-csi20210929.peatix.com/
【定 員】    100名
【主 催】 多摩大学社会的投資研究所
【その他】 キャンセルは48時間前までにお願いします。これ以降は受け付けません。
【問合せ】 多摩大学社会的投資研究所 info@tama-csi.org 

登壇者■

北栄 階一
(日本政策投資銀行ストラクチャードファインナンス部 課長)

東京大学工学系研究科都市工学専攻(修士)修了。2005年日本政策投資銀行入行。都市開発部調査役、地域企画部調査役等を経て現職。日本政策投資銀行において、環境インパクトボンドの導入を推進している。主要著書に「インパクトファイナンスを活用したサステナビリティ社会の実現へ向けて」、「実践版!グリーンインフラ」(共著)等。国土交通省グリーンインフラ官民連携プラットフォーム金融部会長。

東條 恭章
(日本政策投資銀行ストラクチャードファイナンス部 兼 業務企画部イノベーション推進室 調査役)

慶應義塾大学法学部卒。2014年日本政策投資銀行入行。企業金融担当などを経て、2021年より現職。日本政策投資銀行におけるSIB導入を推進している。2019年一般財団法人企業活力研究所CSR委員会委員、2020年株式会社エクセルギーパワーシステムズ業務企画部長などを兼任。主要寄稿に金融財政事情2020年2月3日号「英国ソーシャル・インパクト・ボンドからの日本への示唆」等。

小林 立明
(多摩大学社会的投資研究所 主任研究員)

国際交流基金、日本財団勤務、学習院大学准教授等を経て、2020 年4 月より現職。ペンシルバニア大学NPO指導者育成修士課程修了。2012年ジョンズ・ホプキンス大学市民社会研究所国際フィランソロピー・フェロー。専門は、非営利組織経営、グローバル・フィランソロピー、ソーシャル・ファイナンス、ソーシャル・イノベーション、社会的インパクト評価等。主要著書に「フィランソロピーのニューフロンティア」(翻訳)、「入門ソーシャルセクター」(共著)、「英国チャリティの変容」(共著)等。

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