公開セミナー「ソーシャル・ファイナンスの地域エコシステム:京都信用金庫の挑戦」

日本が直面する課題の中で最も重要なものは地域の衰退です。首都圏への一極集中が進む中、地域で起業家を育成し、地域社会に貢献する事業者の活動を促進し、さらにグローバルな競争を勝ち抜く企業を生み出していくことが、地域の持続可能な発展につながります。このためには、地域に隠された人材を発掘し、彼らの才能に投資するソーシャル・ファイナンスの地域エコシステムの構築が求められます。海外でも地域基盤型インパクト投資(Place-based Impact Investing)に注目が集まっており、これは全世界的な課題でもあります。

現在、京都信用金庫が地域の金融機関・ファンドや中間支援組織と展開している多様な事業は、まさにソーシャル・ファイナンスの地域エコシステム構築に向けた取り組みだと言えるでしょう。起業家育成からイノベーターへの投資、ソーシャル認証、異業種交流を通じた共創、日本人起業家の海外挑戦支援などの取り組みは、地域資源を活性化し、地域内の資金循環を通じて新たな地域経済を創出しようとしています。

今回のインパクト・サロンでは、こうした京都信用金庫が推進する取り組みをご紹介し、これに賛同・協力するキーパーソンとの討論を通じて、日本におけるソーシャル・ファイナンスの地域エコシステム構築の可能性を検討します。ぜひご参加下さい。

■セミナー概要■

【プログラム】

 1.基調講演
  「未来を拓く地域金融」
    榊田隆之 京都信用金庫 理事長

 2.事例紹介
  「ソーシャル・ファイナンスの地域エコシステム」

  ・「地域企業のイノベーションと海外進出を加速させる」
     松本直人 フューチャーベンチャーキャピタル株式会社 代表取締役社長
  ・「社会課題解決に取り組むスタートアップ支援」
     中村多伽 株式会社taliki 代表取締役CEO
  ・「地域金融機関の新たなエコシステム創出」
     深尾昌峰 ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンター 副所長

 3.パネル討論
  「地域内資金循環を通じた地域課題の解決と経済の活性化」

【日 時】 2022年3月8日(火)18時〜20時
【会 場】 Zoom会合【参加費】 1000円(研究所の個人・法人サポーターは無料)
【申込み】 事前にPeatixにてお申し込み下さい。https://tama-csi20220308.peatix.com/
【定 員】 100名
【主 催】 多摩大学社会的投資研究所
【その他】 キャンセルは48時間前までにお願いします。
【問合せ】 多摩大学社会的投資研究所 info@tama-csm.org

■登壇者■

――基調講演――

榊田隆之
(京都信用金庫理事長)

上智大学外国語学部を卒業後、日本輸出入銀行(現 国際協力銀行)勤務を経て、1985年に京都信用金庫入社、2018年に理事長就任。 徹底的な対話型経営により「日本一コミュニケーションが豊かな会社」をめざす。1971年に「コミュニティ・バンク」を世に提唱した金融機関の理事長として、地域の経済や文化形成への想いを込める。 こころ豊かな地域社会、コミュニティをつくることがライフワーク。

――パネリスト――

松本直人
(フューチャーベンチャーキャピタル株式会社 代表取締役社長)

2002年神戸大学経済学部を卒業後フューチャーベンチャーキャピタルに入社。ファンド企画、募集からベンチャー企業への投資実行、育成支援から回収まで、VC業務全般を経験。2011年同社取締役就任、2016年1月より現職。他、城南信用金庫評議員、日本ベンチャーキャピタル協会地方創生部会委員等様々な外部委員を務める。著書「地域金融復興のカギ 地方創生ファンド」(東洋経済新報社)を2019年3月発行。

中村多伽
株式会社taliki 代表取締役CEO

1995年生まれ、京都大学卒。大学在学中に国際協力団体の代表としてカンボジアに2校の学校建設を行う。その後、ニューヨークのビジネススクールへ留学。現地報道局に勤務し、アシスタントプロデューサーとして2016年大統領選や国連総会の取材に携わる。様々な経験を通して「社会課題を解決するプレイヤーの支援」の必要性を感じ、帰国後の大学4年時に株式会社talikiを設立。関西を中心に社会起業家のインキュベーションや上場企業の事業開発・オープンイノベーション推進を行いながら、2020年には社会課題解決ファンドを設立し投資活動にも従事。

深尾昌峰
(龍谷大学政策学部 教授
ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンター 副所長)

滋賀大学大学院修了。1998年きょうとNPOセンター設立と同時に事務局長に就任。「京都コミュニティ放送」理事長、京都市市民活動総合センター初代センター長、京都地域創造基金理事長などを経て、2010年、龍谷大学法学部准教授に就任(2011年から政策学部へ移籍)。その他、京都大学大学院公共政策研究科非常勤講師、公益法人協会評議員、経済財政諮問会議専門調査会「選択する未来委員会」委員などを歴任。
2012年に株式会社PLUS SOCIALを起業。2016年には日本初の社会的投資専業金融会社プラスソーシャルインベストメントを起業し、2020年12月まで代表取締役会長を務めた。

――モデレーター――

小林立明
(多摩大学社会的投資研究所 客員教授・主任研究員)

国際交流基金、日本財団勤務、学習院大学准教授等を経て、2020 年4 月より現職。ペンシルバニア大学NPO指導者育成修士課程修了。2012年ジョンズ・ホプキンス大学市民社会研究所国際フィランソロピー・フェロー。専門は、非営利組織経営、グローバル・フィランソロピー、ソーシャル・ファイナンス、ソーシャル・イノベーション、社会的インパクト評価等。主要著書に「フィランソロピーのニューフロンティア」(翻訳)、「入門ソーシャルセクター」(共著)、「英国チャリティの変容」(共著)等。

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